2011/09/02 見た映画のまとめとか①

 

映画を見るペースと記事を書くペースの比率がどう考えても合わないだろう、と確信したのが不味かった。秘奥義の三日坊主が発動してしまい一ヶ月以上手を休めていた。

もう映画の隅々まで想い出して色々書きだすのは困難を極めるので、見た映画をサラッとだけ復習して記事としてまとめようと思う。順不同。見やすさも意識しない。

とりあえず5作品。ホットショットホットショット2月に囚われた男トータルリコール、そしてブレードランナー


ホットショット

言わずと知れたパロディ&コメディ映画の金字塔だ。これで見るのは5回目くらいだろうか、愛して止まない名作映画の一つ。

主軸としてトップガンのパロディを一貫、ノリノリでマッハ3まで加速させ操縦不能になった瞬間緊急脱出し戦闘機を墜落させたり、敵部隊との交戦時に戦闘機の主翼で攻撃したりと実にくだらないセンスで笑わせてくれる。

もちろん全篇通して「くだらない」「阿呆らしい」ので、ユーモアに溢れていて粋のある類のコメディ映画としてはミスター・ビーンの足元にも及ばないとは思う。


ホットショット2

その名の通り上記映画の続編である。今度のパロディはランボー。細かく若干分かりにくいネタが多かった前作に比べてギャグも小ネタも分かりやすく置かれているのでオススメ度で言えばこっちの方が高い。

両作品で言えるのが「開幕20分で一度も笑えなかったら切って良い」という事だ。人によって笑いのツボは大きく違うだろうが、これらの作品を見て20分でそのツボを刺激出来なかったら残りの1時間以上も呆然と見続ける事になるだろうと思う。

逆に言えば、その20分の間で一度でも大笑いできたならば、最後の最後まで一切暇なく楽しめる事は間違いない。


月に囚われた男

ネタバレによるプラス効果」だの「ネタバレによる作品へのマイナス効果は無い事が実証」だのと一部で物議を醸している話題があり、その真偽も定かではないが、少なくとも本作のネタバレを拾っていたら、この作品の僕の楽しみ方は半減していたとは思う。

低予算ながらリアリティと生活感に溢れる月面の施設。風景。見栄えだけでもなかなかのこの作品だが、自分が予想だにしない展開へと物語が動いたその瞬間が最高のカタルシスだった。「まさか!そんな事が!!」と、同時に僕の心は鷲掴みにされた。

ネタバレ、と言っても中盤のそのワンシーンの衝撃が凄かっただけで、物語のクライマックス自体は衝撃的でも無いしそのエピローグには拍子抜けした面もある。詳しくは語らないが、あれじゃSFというよりエンタメ映画の幕切れに近い。

しかし本当に面白かった。ブルーレイ買って棚に置きたいな。名作。


トータルリコール

この作品を『シュワちゃんが活躍する、よくある大味なSFアクション映画』とだけ取る人はこの作品自体を理解していないか、リコール社の手先の者だろう。

火星の施設が外気とガラス一枚だけで隔たれてる謎セキュリティ構造だったり、ご都合主義なギミックで突き進んで行ったりと、細部への拘りがあまり感じられない大味過ぎるアクション映画だ。ハリウッドらしい大規模で感動の終局を迎えたあとに”もう一つ”の余韻が残るかどうかで名作と感じるか凡作と感じるかを分かつだろうと思う。

どうやら本作品のリメイク版が近いうちに公開されるらしい。きっと劇場公開されたらニヤニヤニ~ヤニヤしながら映画館に観に行くんだろうなぁ。


ブレードランナー(ファイナル・カット)

上記のトータルリコールとは対照的に、本作品は派手なストーリーも無ければ劇的な展開も無い。この映画の何が面白いのか?と言われれば正直答えに詰まる。あまりに硬派過ぎて『ここが面白い!』と語る部分が見つからないのだ。

とにかく硬派なんだ。

「6人のレプリカント(アンドロイド)が人を殺して脱走したため、ブレードランナー(反逆したレプリカントの処刑人)だったデッカードが彼らを追う」

という単純なストーリーなんだけど、戦闘シーンは迫力はあるものの呆気ないしドラマティックさにも欠ける。映像美でいえば卓越しているものの終始一貫して景色は薄暗い。

しかし、それらの『地味』~な要素のひとつひとつがブレードランナーという映画の”味”として昇華していると感じる。

近未来の埃っぽい街中をデッカートが歩き、研究家達の命を狙うレプリカントたちを追い続け、またレプリカントである筈のレイチェルをデッカートがナンパし一夜を共に過ごし…。こんな大規模な設計でこんな小規模なシナリオの作品は他に見た事があっただろうか。

終盤で明かされる反逆したレプリカント達の目的や、突然穴が空いたかのように終わるクライマックスも、ブレードランナーという作品を楽しむ面に置いては大きな役割を担っている訳じゃあなく、あくまでブレラン自体の醍醐味はアジア文化と近未来が融合したような2019年の舞台全体をゆったり味わう事にあるんじゃないかなぁと僕は思う。

後半のデッカートvsロイ・バッティ(レプリカントのリーダー)の戦闘シーンは中々のもの。バッティの人造人間らしい狂いも狂った強さの表現が見事。寄生獣で後藤さんに追い詰められたシンイチのような気分を味わえるぞ、というか寄生獣の元ネタは本作だったのかも知れないと思う程。お、考えてみるとレプリカントの『人間では無い物体が人間らしさを追い自らを問う』なんて寄生獣のテーマと比較して考えるのもちょっと面白そうだな、とか思い付いたぞ。

最初に書いた「『ここが面白い!』と語る部分が見つからない」の一文に対してだが、「ブレードランナーは一体どういう映画だったんだろう?」とぐだぐだ考えるのが凄い面白い!と書いてる途中で気付いた。きっと人によっては「人間とレプリカントの存在について考えさせられた」とか「レプリカントとの戦闘シーンがキチガイじみてて迫力ある」とか「結局あまり身の上を語られなかったデッカートって一体なんだったんだろう」とか色んな意見や考察が飛び出るんだろう。作品について調べたり他人の意見を探す事がこれ程までエキサイティングな作品なんだから、そりゃ数十年経ってもSF映画の金字塔として語り継がれる映画なんだな、と勝手に感心する結論に至った。

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