コマンドー、ピンポンを観て一度寝たあと、起きて即視聴開始。
眠気どころか涙腺すら破壊されそうになった。
今までこの作品を観なかった自分を呪ってやりたいとすら思った。傑作。
「ロボットなら絶対相手を傷つけないとでも?」
まずこの劇場アニメ映画を話すに断りたい事がいくつかある。
これに似たコンセプトを持つ作品は過去に「A.I.」くらいしか見た経験がなかった事。
ロボット工学三原則、「ロボットは嘘を付ける」といった歯車的要素、そして物語の主軸となるアンドロイド問題…
これらを主題に扱った作品は大して知らず、ある程度はオマージュ性の高いであろうアニメながら、その部分の掘り下げを楽しむ事が出来なかったんじゃないか、と感じた。
これについてはロボット三原則の創始者、アイザック・アシモフ氏の作品を読み漁ってから本作を観直してまた考えてみたい。
…作品を楽しむ上で、そんな硬い事考えちゃうのもおかしい話なんだけども。
元は6話のweb配信アニメだったのを劇場用に再編集+αしたのが本作のようだ。
人間とアンドロイドを区別しないという(作中の)ロボット法に触れている喫茶店、「イヴの時間」で起こる人間とアンドロイドの垣根を超えた心温まるお話。
舞台である喫茶店内は、フルCGでモデリングしたのを2Dに落としこんでいるという。
なので、2Dアニメなのにカメラワークがヌルヌル動く。映像表現でここまで衝撃を受けたのは方向性は違うがイノセンス以来だった。
ちょっとカメラ演出に尺を取り過ぎというか、「色んな表現に挑戦してますよ感」は覚えた。良くも悪くも。
コメディシーンのテンポは悪いと感じる人は多かったんじゃないかと思う。
お姉さんの胸チラとかカトランのコーヒーとか。少なくとも僕はそう感じた。
序盤から多くの伏線を張ってラストまでにしっかり回収してくれた。
特にラストを飾るマサキとテックスの友情のシーンは一人で見ていたら号泣だったろうと思う。
@shy_vc3000も横で見ていたので涙を押し込めた。一方@chino_HOTEIはバイトに行ってた。惜しい事をしたな。
ハウスロイドのサミィやアキコが普通に可愛いのもニクい。
表では機械的なアンドロイドの役割を演じているのに対し、「イヴの時間」内では人間的な表情や苦悩を見せる。それも、人間と何ら変りない悩みを。
これには感情移入せざるを得なかった。現代の画風ならではの訴求点なんじゃないか。
個人的嗜好で言えばこういう作品が一番萌えるんだよなぁ。部屋を掃除してくれる可愛いハウスロイド一体くれよ。
SF作品的には有り触れた主題なんだろうが、劇場アニメとしては今までに無かったタイプの一作だろうと思う。
観終わったあとに心温まり、ちょっぴり寂しい余韻が残るアニメだった。また観たい。
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