「おめでとうございます、プレジデンテ。あなたの勝利です！
あなたの行ないは、トロピコ人の間で世代を超えて語り継がれるでしょう。」
不正選挙だの武力弾圧だの、独裁政治とかなんとか、『南国で思うがままに国を作る』というような点でプッシュされがちの本作だけれども、SLG部分のプレイの幅の広さは他のゲームじゃ味わった事がなくてどっぷりハマってしまった。
ひたすら飽きずにキャンペーンモードをこなし、細かいところを回収して難なく楽しく実績コンプ。SLGとしても実績ゲーとしても俄然オススメ度高し。
収入源の確保、外交、市民満足度、豊富な選択肢と絶妙なバランス
このゲームでは「いかにバランスを取れるか」というところが主軸となる。住居だの産業だの政府建造物だのインフラだの、建築すべきモノは最初から山積みなんだけれど、いかんせん開幕は資金が圧到的に足りないし、人口や教育力が足りないと無人の職場が出来上がる。
慣れないうちは建造物の相互関係すらまともに理解できないので難しいが、考えるべき事がまとまってくるうちに段々と面白さが湧き出してくる。キャンペーンモードのゲームバランスもけっこう考えられて、最初は簡単なマップで遊びつつ少しずつ難易度を上げて鉱業、二次産業や観光だとかいろいろな要素を覚えられるようになっている。
何より専門用語が多く出てきて「その気になれる」のが面白い。一次産業に頼りすぎると「バナナ経済」と呼ばれ資本主義者の支持が低迷したり、十分な住居が行き渡らず格差が出てしまうと共産主義派閥からお叱りを受けたり。別にシステム面として深いわけじゃないんだけれど、プレジデントになりきってる感、その雰囲気で一層楽しめた。
進行に慣れると割と退屈なゲームと化してしまう。箱○の処理落ちも相まってここが辛い。
お金稼ぐなら一次産業→二次産業のラインを立てまくればいい(例：たばこ畑→葉巻工場、パイナップル畑→缶詰工場)し、一度資金が潤うと市民の不満の対象にあらかたお金を注ぎ込めばいい。
序盤の金欠を乗り越えて軌道に乗せたら、あとは勝利条件だけ見てうつろに画面を見つめるゲームになる。反プレジデント派を秘密警察で抹殺とか、余った人材を軍備に注ぎ込んで武力国家化とか、ある種のロールプレイとして楽しめる人ならダレないかも知れない。僕はそんな操作も面倒な程度にダレてた。
という訳で実質的な難易度は割かし低く、ガチでSLG遊びたいって人よりは雰囲気を楽しみたい人、あまりSLG経験が濃くない人に向いたゲームだと思う。処理落ちや操作面の関係上、実績とかに拘る人じゃないならPC版を買うといいかも(海外版だが非公式で日本語化可能)。Steamでも配信されている。
箱○でもSteamでも体験版あるので気になったらどうぞ。
独特のトロピコワールドの空気感だけでも味わって欲しい。
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